夏の早朝

空想や妄想をしてみたい。

電車の中で聴く音楽はでかい

 

この間、久しぶりに電車に乗った。
どのくらい乗っていないか、書くのが恥ずかしいくらい電車に乗らなかった。


私は電車に乗ることが好きだ。
趣味とまではいかないが、ローカル線の空いてる電車に乗るのが好きで1日10時間近く車窓を眺めているのも苦じゃない。


移動のためではなく、電車に乗るために電車に乗りたい。

 

自粛期間中は電車がなくても生活ができる環境だった。たまに、電車に乗りたいなと思って、名古屋〜広島間の新幹線の車窓の映像(おすすめYouTubeです)をBGMに寝たりする日もあったが、それ以上の気持ちはなく、あとは普通に自転車の日々だった。

 

それから数週間後、わたしに電車に乗る用事ができた。

 

久しぶりに乗る電車に緊張していた。
最寄駅も、隣の駅も、好きな駅もだいたい緊張していた。


だから、電車の中 イヤホンで音楽を聴いた。

イヤホンを耳に入れ、iPhoneで音楽の再生ボタンを押した。

 

 

そしてこう思った。

 

えー!!電車の中で聴く音楽、音でっっか!!!!
こんなバカみたいに大きい音で音楽聴いてもいいの!?!?

 

…バカみたいなのは音量じゃなくて自分だが、本当にこのようなことを思った。音を勝手にでかくしているのは自分だ。

 

家では決して聴かないような大きさで音楽を聴いたので、首筋らへんの血が揺れた。

自分の好きなものを、でかい音で、しかも人前で、普通の顔して摂取することが許される世界だった。

 

走る電車の中で自分の身体という超パーソナル空間に爆音が響き渡っていた。

遠くに電車が走る音とアナウンスが聞こえたが、わたしはスマホ片手にドアの横に立つひとりの乗客としてこの世界に溶け込んでるようで、まったくそうではない気がしていた。

 

久しぶりに乗る電車は面白かった。

電車の中で音楽を聴くって、とても良いんですね。

 

 

 

おまけ①「個人的すぎる話」

 

電車の中でラジオを聴くことも多い。

好きな番組が深夜ラジオばかりなので、主にradikoのタイムフリーで楽しんでいる。


普段だったらタイムフリーで聴く番組は適当に選んでいるけど、電車でラジオを聴く時のみ番組の選び方になぞのこだわり(?)があるのでまとめてみた。

 


・不安な気持ちを和らげたい時

「オードリーのオールナイトニッポン

霜降り明星オールナイトニッポン0(ZERO)」


・尖った気持ちの時
「JUNK 山里亮太の不毛な議論

三四郎オールナイトニッポン

三四郎は不安な気持ちを和らげたい時に聴くこともある


・わりと明るい気持ちの時

霜降り明星オールナイトニッポン0(ZERO)」

 

・帰り道

「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」

ファーストサマーウイカオールナイトニッポン0(ZERO)」

※楽しい帰り道にも疲れた帰り道にも効果アリ

 

 

オールナイトばっかりだね。

 

ちなみに、スープストックトーキョーひとり飯をする時は「ハライチのターン!」か「四千頭身オールナイトニッポン0(ZERO) ※放送終了」が聴きたくなります。

 

電車全く関係ないし意味わかんなすぎるけど。

ごはん食べながらイヤホンするのお行儀悪いけど。

 

 


おまけ②「パワースポット」


御茶ノ水駅のことがまあまあ好きだ。


聖橋口から改札を出て、秋葉原方面へ坂を下ると途中に昌平橋がある。

下に流れる神田川は夏になると水かさが少なくなっていた。

昌平橋の欄干は魚の鱗のような模様をしている。


わたしはそこから見える「明日も お元気で!」と書かれた看板をいつも見る。
顔のついた太陽が笑っている、その横に書かれた大きな文字、色がくすんでいる。

 

はるか昔AKIBAカルチャーズ劇場に行く時、濁りながら揺れる水面と、その看板を見るととても元気が出た。

 

 

 

おまけ③「2020年6月17日」

 

今日「カキフライが無いなら来なかった」が買えたので嬉しかった。本屋さんを5軒回ってやっと見つけた。

電車の中で少し読んだ。

少ない文字数で、いくつもの場面を思い浮かべられて今までにない文字の読み方ができてとても面白かった。

わたしは俳句や詩などの良さがわからない人間なのだと思っていたが、自分が好きな作品に出会っていないだけだった。小説や漫画の中で好きな作家や好きなジャンルがあるのと同じだ。

なぜ俳句や詩という枠で判断して興味を失ってしまっていたのだろうね。

 

 

漫画家の清野とおるさんが好きで作品を集めている。

1冊でかなり読み応えがあるので一気には買わず、数ヶ月ごとに3〜4冊ずつ買うことを繰り返している。

今日は3冊買って、漫画に付いてるビニールを剥がそうと思ってリビングの机に置いた。

 

すると父が、

 

「おまえ壇蜜の旦那好きなのか?」

 

と聞いてきた。

 

 

…確かに、わたしは壇蜜の旦那のことが好きだ。

 

好きだけれども。

 

漫画を楽しみに帰ってきた普通のファンだったのに、突然不倫的になったので笑った。

 

清野さんといえば『東京都北区赤羽』で有名ですが、短編では「スキ!スキ!過疎!!」と「みんなの桃論」という話が特に好きです。