おばあちゃんからの電話
日曜日、隔週くらいのペースで徳島県に住んでいるおばあちゃんから電話がかかってくる。
おばあちゃんは面白い。
小学生3年生くらいの夏休みに徳島に行った時、阿波踊りの出店で金魚すくいをした。
わたしは記憶にある限り、金魚すくいで金魚をすくえたことが1度もない。(UFOキャッチャーで景品が取れたことも1度もない)
きっとその時もわたしは金魚すくいが下手で、ポイはすぐに破けてしまったんだろう。
金魚を持ち帰った記憶はあるので、たぶん出店の人におまけしてもらったんだと思う。
阿波踊りの人混みの中、履きなれないサンダルで靴擦れをしながら、大切に金魚を持ち帰った。
家に着いて、おばあちゃんが金魚を水槽に入れてくれた。もしかしたら、ちゃんとした水槽ではなかったかもしれないけど、ちいさな金魚の即席のすみかができた。
おばあちゃんと、お父さんとお母さんとわたしと妹。その中に、新しいちいさな仲間ができたみたいで嬉しかった。
お祭りの喧騒と真夏の暑さで疲れていたわたしたちは、涼しいリビングでテレビを見ながら休んでいた。
ふと、金魚の方に目をやる。
次の瞬間、
水槽の中で金魚が跳ねて、リビングの床に激しく落下。
「「「ギャーーーーーーーー!!!!!」」」
母とわたしと妹は、驚き、悲鳴をあげた。
さっきまで可愛がっていたはずの金魚が、ピチピチと本能のままに暴れまわる姿を見て、言い知れない恐怖を感じた。
わたしは金魚からできるだけ離れたくて、ソファの背もたれの上の、人が乗ったらいけないようなところに登って避難した。
おばあちゃんはそんなわたしたちを見て、呆れた様子で、素手でひょいと金魚を拾って水槽に戻した。
一瞬だった。
そんなおばあちゃんから今日も電話がかかってきた。
最近はだいたいコロナの話題。そこから給付金や、給付金を利用した詐欺の話になった。
おばあちゃんは詐欺師などの悪い人たちのことを、必ず「ワル」と言う。「詐欺師」や「悪い人」などではなくて、「ワル」(イントネーションは、ワ↓ル↑)。
わたしは、おばあちゃんの話す「ワル」がなぜだか大好きです。
みなさんも、ワ↓ル↑には気をつけてくださいね。
今日の1枚。
いつか焼いてた虹色に光るシャケ。
魚関係でひとつ。
完全にどうでもいいとは言い切れないけど、そこそこどうでもいい話。
小学1年生の時、近所のホームセンターで熱帯魚を2匹買ってもらった。雄と雌を1匹ずつ。
雄のほうは「ネット」、雌のほうは「あみ」と名前をつけた。理由は忘れたけど、なんか魚の体が網のように見えたんだと思う。
飼い始めて数週間が経って、あみがネットのことを共喰いしていて、とても怖かった記憶がある。ちゃんとエサもやっていたし、水もきれいにしていたのに何故…。
あ、そういえば昨日、人生で初めて魚を3枚下ろしにしました。ずっとアジのつもりで捌こうとしてたけど、イワシでした。