夏の早朝

空想や妄想をしてみたい。

都会の中学校

 

都会の学校に通っているってどんな気持ちなんだろう。

 

都会のど真ん中に、区立の小中学校を見かけると不思議な気持ちになる。

 

おそらく高校進学のタイミングで、電車で地元とは別の街へ通学する人が増えると思う。それはありきたりなことなので、都会にある高校や大学に対しては特に何も思わない。

また、朝電車で見かけるような、上品な制服を着た少年少女らが通う都会の私立学校も、その対象ではない。

 

都会の私立小中学生たちは、自ら学校を選んで通ってしまっているが、わたしは、学区内だから通わざるを得なかった、徒歩通学の都会の区立小中学校にしか関心がないのだ。

 

通学路にスクランブル交差点、六本木ヒルズ、銀座、埋立地が当たり前って、どういう気持ちなんだろう。

わたしにとっては出かける場所や観光地なのに、物心ついた時から超都会で、大きな道路に車がびゅんびゅん通っている街を通学するって、どういう気持ちなんだろうか。

 

ああ、都会の区立小学校、区立中学校…。

 

 

 

 

別に、

 

その小中学生たちにとっては、生まれた時から都会が当たり前の風景だし、なんとも思わないか。

 

 

 

先週の土曜日、我が家に新しい洗面台がやってきた。

 

うちの洗面所の水道は何ヶ月も前からぶっ壊れていた。

実際は、ふつうに壊れている程度だったかもしれないけど、今まで水道に与えられた地味なストレスの量を考えると"ぶっ壊れていた"と書かせてもらっても大げさではないだろう。

 

まず水を出そうとしても、細めの水しか出ない。本来の水の量のうち2/3は水漏れして、ぼろぼろと流れ落ちていく。その水漏れはバケツに貯めておいて、ある程度貯まったら捨てるというのを毎回くり返していたのだが、うっかりバケツの水の貯まり具合の確認を怠っていると、バケツから水が溢れて洗面所が水浸しになってしまうこともあった。(最悪)

水を出すこと、水の貯まり具合を毎回チェックしなければならないこと、貯まった水を捨てること、この3つが全部じわじわとストレスだった。

 

しかし、最低な洗面台ライフにもついに終止符が打たれた。給付金で新しい洗面台を購入したのだ。


真っ白で真新しい、きれいな洗面台。シャワーヘッドがガタつくことなくスムーズに伸びるのにも、鏡が大きいことにも、ライトがまぶしいほどに明るいことにも、いちいち感動した。

なにより、もう二度と水が貯まることを気にしなくていいことが本当に嬉しかった。水出し放題!!

 

さらに、新しい洗面台は新築の家のような良いにおいがする。

 

良いにおいと言っていいのかはわからないが、少なくともわたしにとっては新鮮で、気分が上がるようなにおいだった。

しかし、洗面台が新しくなってから数日が経つので、だんだんと良いにおいも薄れてきてしまった。それでも、まだどこからかほんのり良いにおいが漂ってる気がする。試しに鏡を嗅いでも、棚を嗅いでみても無臭。

 

そしてひらめく。

 

わたしの思った通りで、シンクの下の収納扉を開けると、密閉された空間にまだ新築のにおいがたっぷりと満ちていた。良いにおいに再会できた嬉しさに、わたしはつい深く空気を吸い込んだ。

 

収納の扉を閉めて、収納の空気を吸う自分の姿の異常さに気づいたわたしは、もう二度とこんなことはやらないと心に誓った。どうせ、もうすぐ良いにおいも消えるだろうし。

 

 


今日の1枚。

 

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良いにおいのする洗面台の収納。かっこいい。

 

すみません。

さっき二度とやらないと書いたけど、これを撮る時ににおい嗅いでました。扉の裏や金具までくまなくチェックしたけど、この前よりかなりにおいが消えてた。がっかり。