水槽曜日
日曜日。
電気をつけなくても明るい部屋でテレビを見る。まだ抜けきらない眠気を抱えながら、ふかふかにねっころがっていた。
日曜日の、お昼前からお昼過ぎのバラエティ番組の流れが好きだ。その数時間は、スマホを見たり軽めのごはんやお菓子を食べながらテレビを見ているだけなので、インプットもアウトプットも、何もない。
ずっと温かい水槽みたいな気持ち。
ずっと今日みたいな日なら良い。
お気に入りのグラスを、自分の子どもをお風呂に入れるように、やさしく大切に洗った。
家のあまり使っていない食器棚から、パフェグラスっぽいものと、可愛らしい大きな器を見つけた。それもまたやさしく洗ってあげた。
近々、自分の部屋に食器棚を作れたらいいなと思った。グラスにハマりそうな気がしている。
グラスはかわいい。透明だし、だいたいどのグラスにも曲線があって、そこから向こう側を覗くと、景色がきらめきながら歪むのでとても愉快だ。
ゼリエースでゼリーも作った。イチゴ味。
粉をボウルに出して、お湯150mlと水150mlを入れて混ぜるだけ。型に流し込んだら2時間以上冷やす。夕ごはんを作り終わって、冷蔵庫を開けたら、つるんとした赤ピンク色の水面がきれいに並んでいた。
ゼリー型を少しぬるま湯に浸してから、ゼリー用のお皿に勢いよく振りつける。
型から取り出すと、まるでお手本みたいなゼリーが現れた。
ゼリーは、思った以上にぷるぷると揺れていた。その様子が本当に愛らしくて、なんて可愛いんだろうと一瞬で心奪われた。
何か、ちいさくて可愛らしい動物に出会った時と同じような気持ちになった。
生クリームとさくらんぼをトッピングしてあげたら、また一段と可愛くなったので、嬉しくなって家の中を一緒に散歩した。
(というのも、自分の部屋に白い机と白い壁があり、撮影スペースにぴったりだからそこまで運んであげたのです)
もしペットとしてお世話する対象が生き物だけじゃなかったら、わたしはゼリーを飼いたいな。愛でたい。
市販のフルーツがぎっしり入っているゼリーも魅力的だけど、ゼリエースのような、ちょっと懐かしい雰囲気のある、ちいさくて可愛いゼリーと一緒に行動を共にしたい。撫でたりはできないけど、一緒に散歩できたらすごく楽しいだろうな。
ゼリーとの散歩が終わって、ついに食べることにした。
スプーンで無造作に掬ったあとだって、宝石のように輝いていた。お母さんと、どっちのゼリーが宝石みたいか、なんて話をした。
粉っぽい、へんなイチゴ味がまた良かった。
今日の1枚。
下水道の中、ぜんぶこんな感じだったらいいよね。
そもそもわたしは撮り蓋派なのでマンホールカードはあまり持ってないのだけど、蔵前水の館(下水道施設)の見学をしたらもらえるカードとかは欲しいな。楽しそうだし。
最近は都内を出ないから、全然新しい蓋に出会えていない。
なぜ今日はゼリーの写真ではないかというと、明日メロン味のゼリーを作って、今日1つだけ余ったイチゴ味のゼリーと並べて写真を撮りたいからです。緑とピンクが並んだら可愛いと思うから。だから明日が楽しみです。