修学旅行でイギリスに行った話②
このブログは「修学旅行でイギリスに行った話①」の続きです。
2013年7月3日(水)
目が覚めてもやっぱり知らない天井で、日本はもう14時すぎだった。
修学旅行でイギリスに来て2日目。昨日は15時間以上の移動を経て、日本からイギリス・チェルトナムにやって来た。
今日は大移動をしなければならない。
朝ごはんは、フルーツグラノーラに牛乳をかけたものとミルクティーだった。
どんな味や香りがしたかは忘れてしまったけど、とにかくミルクティーが美味しかったことだけは覚えている。
さすが紅茶大国。わたしは元々紅茶が好きなので、朝から温かい紅茶を飲めて大満足だった。
朝ごはんを食べ終えて、Aちゃんと洗面所で歯磨きをしていた。すると、アリス(ホストマザーの娘)も歯磨きをしにやって来た。
アリスは本当に可愛い。髪はきれいなブロンドで瞳は澄んだブルー。顔立ちも整った美少女だ。
わたしたちの下手な英語はあまり通じなかったが人見知りはしないようで、滞在中もずっとフレンドリーに接してくれた。
わたしとAちゃんは歯磨きを終えて口をゆすいだ。
続けてすぐにアリスも口をゆすいだ。水で歯ブラシを洗い、洗面ボウルの部分も丁寧に流していた。
そして、アリスはさっきまで自分の歯を磨いていた歯ブラシで排水溝を掃除し始めた。
目を疑った。
し、言葉が出なかった。
わたしとAちゃんは「え…… (自分の口に入れてたやつで…?)」という表情で目を合わせた。
もし、これが自分の娘なら全力で止めているところだが、自分の歯ブラシで排水溝を磨くことがアリスのモーニング・ルーティンかもしれないし、なんならイギリスでは常識なのかもしれないと考えたので止めなかった。
アリスは排水溝の掃除が終わると、歯ブラシを捨てるわけでもなく、元の位置に戻して洗面所を去っていった。
わたしとAちゃんも自分の部屋に戻り、「さっきのやばかったね…」と話しながら身支度をし、集合場所の教会までオリビアに車で送ってもらった。
もちろん、イギリスには自分の歯ブラシで排水溝を掃除するなんて文化はない。
教会の近くの横断歩道の押しボタン。
使い方は知らないけどかっこいい。
教会に着くと、先に集合していたクラスメイトたちで賑わっていた。
わたしは、先ほどの排水溝の衝撃やそれぞれのホームステイ先の話をした。
昼食は学校側で用意されないので、各家庭でランチボックス(お弁当)を用意してもらうことになっていた。
わたしとAちゃんも、オリビアの手作りランチボックスを持たされていた。
なんか大きいペットボトルが入ってるな〜くらいにしか思っていなかったので、教会でちゃんと中身を広げてみた。
ペットボトル(2L)、サンドウィッチ、小さいリンゴ、おっとっとみたいなスナック、チョコのお菓子、白とピンクのケーキ
めっちゃイギリス〜〜!
日本でお弁当といえば、お弁当箱の中の半分にごはん、もう半分にプチトマト、ミートボール、卵焼き、焼き魚、みたいな感じだけど、リンゴそのままって・・・!
8等分でも、うさちゃんでもなく、丸かじり。
巨大なペットボトルは何なのかよくわからないが、ハンバーガーみたいなサンドウィッチも、ラブリーな色のケーキとか、超イギリスだ。
いま修学旅行のしおりを見てみたら、「バス内でホストファミリーからのランチボックスにて昼食」と書いてあった。修行じゃん……。
(バスはだいたい長時間な上、めっちゃ揺れる)
全員集合すると貸切バスに乗り、チェルトナムから1時間半ほどかけてオックスフォードにやってきた。
建物の出窓に花とユニオンジャック。
いろいろ写真は撮ったものの、自分がどこにいて、何の建物を撮っているのか全然わかっていなかったりする。
これは覚えてる。
マネキンの胸でかw と思って撮ったやつ。
(しょうもなさすぎる……)
日本のマネキンよりも遥かにグラマラスだ。
すごく “っぽい” 建物だけど、こちらも何なのか全くわかっておりません。
オックスフォード大学 クライストチャーチカレッジにやってきた。
「ハリーポッター」のロケ地になった場所らしい。わたしは、賢者の石、秘密の部屋、アズカバンの囚人、炎のゴブレットを観たことがある。(意外と1作目〜4作目まで観てた)
入口まではあまりハリーポッター感がないというか、逆に、今までの街並み全てにハリーポッター感があったので、大学から特別なハリーポッター臭はしなかった。
しかし、建物の中に入ると、
めっちゃハリーポッター!!!!
知ってる、あの長い食卓をわたしは知っている。
お皿と赤い紙ナプキン、ナイフとフォークも、まるで誰かを待っているよう。エクスペクト・パトローナム …
超ハリーポッターエリア(食堂)を抜けたところ。
人形?(絵画?)の作りがかなり精巧。
ステンドグラスから差し込む光もきれいで、この写真を見ていると少しほこりっぽいにおいや、どこか寂しくひんやりとした空気が思い出される。
建物内を出て、向こう側から荘厳な雰囲気のある校舎を見渡した。
クライストチャーチカレッジの見学の後は、少し自由時間があった。わたしとAちゃんは、"OXFORD"と刺繍のされたパーカーを色違いで買った。
街中の電話ボックスと郵便ポスト。
赤くて目立つし可愛いですね。電話ボックスとポストモチーフのお土産も多かった。
オックスフォードの見学が終わると、またバスに乗って移動だ。1時間半ほどかけて、次はストラトフォードアポンエイボンに向かう。
バスの中では、先ほど紹介したオリビアお手製ランチボックスを食べる。わたしたちは大移動をしなければならないので、外でゆっくりランチをしている時間はないのだ。
(オリビアお手製ランチボックス)
洗っていないリンゴをいきなり丸かじりするのには抵抗があったが、仕方ないので囓った。
別の家庭にホームステイしている、ジャスティン・ビーバーが大好きな友だちもランチボックスにリンゴが入っていたようで、丸かじりする姿がかなり様になっていた。かっこよかった。
丸いサンドウィッチはチーズ入りで普通に美味しかった。
問題は、ピンクと白のケーキだ。
これは食べなくてもわかる、激甘だということが。
当時のわたしは人よりかなりの甘党だと自負していた。仕方ないので、Aちゃんの分のケーキも食べてあげた。
ラスボスのドデカペットボトルは、いくら飲んでみても、一体自分が何を飲んでいるのかわからなかった。
ただ、うっすらフルーツ系の何かの味がした。わたしは中身が薄オレンジだったが、Aちゃんは同じでかペットボトルの中に薄ピンクが入っていた。こちらもまた、何味かわからない。強いて言うなら、かき氷のいちごシロップを100倍希釈したみたいな感じ。
でかいし薄いしやばいということで、わたしたちの謎の飲料水はバスの中でも話題になった。
他の友だちに飲んでもらってみても、誰ひとりとして「〇〇味だよ」と名前をつけて安心されてくれる者はいなかった。
ペットボトルの中身は全然減らなかった。
ストラトフォードアポンエイボンでは、シェイクスピアの生家を見学した。
なんでこの写真を撮ったのか。
なぜかブレている写真ばっかりだ。
シェイクスピア作品が好きな子が同じクラスにいて、その子が友だちと嬉しそうに見学していたのが印象的だった。まきちゃん、元気かなぁ。
わたしとAちゃんはそんなにシェイクスピアの家に興味がなかったので、見学中もずっとへらへらしていた。その証拠に、写真はあっても見学内容は全く思い出せない。
シェイクスピアの家を見学、たぶん散歩や買い物したんだろうけど、この水辺の写真しかなかった。
(イギリスまで来たんだからもっと写真撮りなよ)
このあたり、全然記憶がない。
旅のレポートを書こうとして、こんなに「忘れてしまった」「わからない」「記憶がありません」ばかりのブログありえないと思う。でも仕方ないよね、7年前だもの、、
ストラトフォードアポンエイボンの見学で、今日のプログラムは終了。バスに乗って、ホームステイ先のあるチェルトナムに帰る。
ちなみに、チェルトナム、オックスフォード、ストラトフォードアポンエイボンの位置関係はこのようになっている。
と、遠すぎる・・・。
よく考えたら、15時間以上移動した次の日に4時間半バス移動する修学旅行ってハードすぎないか…。我ながらよく頑張ったと思う。
チェルトナムに戻り、朝に集合した教会で解散して、またオリビアの家に帰った。
家に帰るとすぐにオリビアが夕食を用意してくれた。
またまた写真を撮っていなかったのだが、修学旅行のしおりの日記によると、夕飯のメニューはカレーだったらしい。(ライスはもちろんタイ米です)
当時の記録によると、「タイ米は思った以上に細長くて味がしなかった…。」そうです。
カレーが出た後に、丸いお椀に入ったおかゆが出てきた。正直、もうカレーは終わりだと思っていたので、まだあるの!?と思った。米ならもうカレーで食べたが。
しかも このおかゆ、なんだか様子がおかしい。
おそるおそる、口に運んでみる。
……。
おかゆほど熱くなく、常温よりちょっとだけ温かみのあるものに、ほんのり甘みをつけたような食べ物だった。一体、これは、、
怪しさ満点だったが、人から出されたものは残しづらいので、頑張って未知の食べ物を口に運び続けた。
この謎のおかゆの正体は「ライスプディング」というデザートだった。夕食のうちの一品かと思ったら、デザートだったのだ。ネットで調べてみたら「米をミルクで煮たもの」とあったので、結局おかゆで合っていた。
食べている時はまだ正体がわかっていなく、味もあまりしないし、米のあとに米(しかも量が多い)だったよで、かなりダメージを食らってしまった。熱くも冷たくもないのに、ほんのり温かいところが何故だかすごく怖かった。
この日でわたしの中に「ライスプディング」という伝説的な食べ物の存在が刻まれた。死にそうになりながら完食した。
イギリスには使用済みの食器を洗剤で洗った後、水で洗い流すという文化がないらしい。初めて聞いた時には驚いた。どうやら、「きれいな洗剤で汚れを取ったから、流さなくてもきれい」ということらしい。
内心「きれいなわけあるかー!」と思った。(いまでも思う)
洗い流さないと意味がなくないか…。
お皿に付いた泡はどうするんだろう。
この、お皿洗い流さない文化も前から不安なことの1つだった。食事の用意や家事もやってもらっているので、泡を洗い流してください!なんて言えない。だけど、泡食べたらお腹壊しそうだし、衛生的にも不安だった。
しかし、幸運なことにオリビアの家は食洗機があった。ちゃんと洗われるし、ちゃんと洗い流された。本当に良かった。オリビアと食洗機に深く感謝をした。
でかペットボトル(謎の飲料水入り)や、タイ米、ライスプディングと、食に日本との環境の違いを思い知らされたような1日だった。ライスプディング……。
昨日も今日も、超大移動をしたが、なんと明日も大移動をしなければならない。
修学旅行のしおりに日記を書いて眠りについた。