夏の早朝

空想や妄想をしてみたい。

半透明人間

 

初めのほうに更新したブログにも書いたけれど、わたしは見てくれている人がいないと何もできない。
 
例えば、働いたり家のことをしたり、朝決められた時間に起きるとか、健康的な食事をして夜のうちには眠るとか、表面的には普通に人間らしい生活を送っているように見えても、頭の中は思考停止している。全く不健康で非文化的。

 

ここ最近のわたしは、日々の生活の中にある、楽しい、面白い、気になる、もっとやってみたい、などを受信するアンテナの性能が以前よりも格段に悪くなったような気がする。

 

その原因の1つは、人前に立つ機会がなくなったことにあると思う。

 

去年の夏まではアイドル活動をしていたため、見ていてくれる人たちのため・自分の成長のために、身の回りの面白そうなものやネタになりそうなものに対して敏感だった。とにかく発信することに意欲的だったので、自然とそういうふうに生活を送るようになっていた。

 

それが人前に出ないようになってからは、わたしが何かを表現・発信してもしなくてもいい、漠然と広がる自由すぎる砂漠のなかに放り込まれたようだった。

 

やってもやらなくてもいい、どちらでも良い人間なりにも表現に対する憧れはあったが、その方法がわからなくて怠けているうちに、アンテナは機能しなくなったし、次第にものを考える力も鈍っていった。

よくわからなかった自分のことが、もっとわからなくなった。

 

そんな状態を少しでも変えたくて始めたのがこのブログで、砂漠を彷徨っていた頃と比べれば少しずつ頭を動かせるようになってきたかもしれない。

 


わたしは、頭の回転さえ人の存在に依存しているのかと思うとゾッとする。

ひとりで過ごすのが好きなくせに、実際はとんだかまってちゃんだ。

 

たまに、自分の実体はどこにあるのだろうかと思う。
誰かに見ていてもらわないと、うまく存在することができないなんて、まるで幽霊みたいだなと思うことがある。

 

 

 

わたしがこうやって、アイドル時代のファンの方たちの前に出現してブログを書いているのは、グループを辞めて一般人になった元アイドルがSNSで自撮りを載せるのと同じではないかと思った。

 

…これが承認欲求を満たすためだけのものだとしたら、なんてコスパが悪いんだろう。


たぶん承認欲求だけではないが、確実な目的はない。
自分に何かを頑張ってくれと思って書き始めたのだから。

 

わたしはこの先どんなふうになりたいのか、まだよくわかっていない。
一体何がしたいのか、どうなりたいのか、1日の中で何度も考えることだけど、いつも思考が散らかっていて、すぐに別のことに気を取られてしまうので結局いつも同じ地点を徘徊し続けている。

 

別に、懐古するつもりはなかったのだけれど、こういう生産性がなくて停滞した状態をうだうだと綴るのって微妙なことですね。これを書いたからといって考えがまとまるわけでもないし。

 

 


アイドルがやるから面白いこと、アイドルが歌うから新鮮な曲調、歌詞、音楽のジャンルがあると思う。


わたしの所属していたグループもアイドルっぽくない楽曲が多かったけれど、「アイドル」として歌い踊り、日々活動をしていた。

(ところでSAKA-SAMAの曲って本当に良いよね)

 

わたしの表現するものすべてには「アイドル」というアイデンティティが必要不可欠だった。

 

アイドルが「わたしはアイドルだ」というアイデンティティを持っているのは当たり前かもしれないけど、わたしは個人で表現をする場(ブログとか)では特に、自分が "アイドルである" ということを強く意識していた。


"アイドルだから" ひとり旅をしていること、趣味の話、みんなよりも長い文章を書くこと、そのほかにもたくさん、アイドルがやっているから面白くて興味を持ってもらえたんだなとつくづく思う。人がギャップを面白がることと似ている。

 

わたしにとって「アイドルという立場」は、アイドル以外の表現において最大の武器だった。


ひとり旅をする20代の女性なんて山ほどいるし、いろんな趣味は知識不足だけど、アイドルという立場があったからこそ、ちょっと珍しくて発信のしがいがあったように思える。

(アイドルじゃない今でも旅や趣味のことは楽しんで発信しているけど、“アイドル”という肩書きがあったほうが映えるよねという話でした)

 


しかし現在のわたしにはアイデンティティがない、
というのは少し言い過ぎな気がするけど、自分でも自分の存在が謎だ。

 


でも、もしかしたらこの世にアイデンティティがない人は意外といるのかもしれない。

 

大学生の時、心理学専攻の友だちが作ったアンケートに回答した。

その中で「自分自身を表していると思う単語を次の中からいくつか選んでください」のような設問があった。

 

たしか選択肢には、

大学生、この大学の学生、サークルの一員、バイトやインターンシップ先の職員、生まれた年代、家族の一員、自分の国籍、女性であること、

などの言葉が並べられていた。

 

わたしはその設問を前にして固まってしまった。

 

当時のわたしは、某大学に通う大学生で、アルバイトをしていて、日本に住む4人家族の一員で、女性で、どの選択肢もわたしの立場として正しいものだったけれど、自分を表現するものとして選ぶには、どの選択肢にも違和感があった。

(確かその時はアイドル活動をしてなかった)

 

その他や、どれでもない、という選択肢はなかったので、その設問の答えは空欄にして提出した。

 

たぶん、いま同じアンケートが配られても、同じ設問のところで手が止まってしまう気がする。

 

 

みなさんは、職業、年齢、国籍、誰かと結婚してること、何かのグループの一員とか、これが自分ですって言えるものはありますか?

 


…うーん。

 

この選択肢を書いてて思ったけど、別に、はっきりとした言葉で表せるアイデンティティなんてなくていいかもしれない。わからないけど。

 

 

 

Twitterに更新ツイートする時に画像がないのがさみしいから、今日の1枚。

 

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カロリーメイトの包みと「フルーツ」の表示が可愛いかもって思って撮ったけど、そんなに可愛くなかった。